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向島文化サロン

無念の旅紀行 渡辺憲司先生.jpg
向島文化サロンでの講演で渡辺憲司先生の『無念の旅紀行』第1回「忠臣蔵・武士道・吉良義周」を聴く。雑誌‘東京人’に掲載された「討ち入り後」の吉良家の物語-吉良佐兵衛与義周のその後-を米沢、吉良、諏訪をめぐり義周の足跡をたどった墓誌紀行で上杉家との関連やその土地での吉良に対する思いなど独特の話術をもって話されていた。赤穂事件は芝居や物語にあるように吉良方は一方的に悪者にされているが真実はどうだったのか 贔屓が真実を曲げているかもしれない。子孫はさぞかし無念であるだろう。村上鬼城の句「行く春や憎まれながら三百年」や杉浦日向子の「大義が殊更物々しく持ち出される時人が多数死ぬ。快挙とも義挙とも はた壮挙とも云われる義士の討入はまぎれもない惨事だと思う」の 言葉を交えながら最後に《赤穂事件を義挙と呼ぶ、そんな歴史も物語も繰り返されてなるまい-。戦いの大義名分は、勝者を賛美し、敗者の思いをことごとく消し去ります。しかし、消し去ってはいけないと、吉良一族の墓は叫んでいます。》で締めくくられている。
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